民主党のジョー・バイデン候補が米国の大統領選挙においてリードを保っている。これによって、多くの民主党員と共和党の『トランプ大統領再選拒否派(Never-Trumpers)』は、ドナルド・トランプ大統領が11月の選挙で負けることに関し、ますます楽観視するようになっている。
しかし、トランプ大統領の敗戦を現段階で確信するのは間違いだ。同氏は選挙が近づくにつれてより顕著になる圧倒的な優位性を持っている。この優位性は同氏の業績や失敗とは何も関係を持たない。関係があるのは政治的演出への習熟である。
「エスタブリッシュメントへの反抗」というトランプの強み
リベラル派の支配的な見方は、トランプ大統領が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックへの対応を誤ったことで起きた経済危機のために、共和党とトランプに傾倒している無党派層が支持を考え直すだろうというもの。しかし、これは余りにも楽観的な見方である。
トランプ氏は、大統領職に職業的また気質的に不適格であることを政治的美徳に変えることによって2016年の選挙戦で勝利している。エスタブリッシュメントへの反抗こそ、同氏が共和党有権者から大きな信用を得た源であり、共和党の有権者たちは共和党本流の政治家たちが彼らの利益を考えていないと信じている。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら