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社長業30年の自負は古いものを捨てたことだ スペシャルインタビュー/松井証券 社長 松井道夫

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証券界の「異端児」が6月の株主総会を経て顧問に退く。なぜ今なのか。直撃した。

まつい・みちお 1953年長野県出身。76年に一橋大学経済学部卒業後、日本郵船に入社。87年に松井証券入社。90年に常務となり実質トップに。外交セールス廃止や株式保護預かり料無料化などを断行。95年に社長就任。2020年6月の株主総会を経て退任予定。

──なぜこのタイミングで退任することにしたのですか。

これまで社長として何ができるのか、ずっと考えてきた。自分ができることは精いっぱいやったつもりだ。

確かに、世の中は急速な変化のただ中にある。われわれが想像もできないような変化がこの5年、10年の間に起きることは間違いない。

ただ、私が日本郵船に就職した当時、同社の菊地庄次郎社長が「企業の生命を伸ばすためには、企業を支える世代の見事な交代が必要だ」と言っていた。50代ぐらいまではあまり意識していなかったが、60代になって、確かにそのとおりだなと思うようになった。

いつまで社長をやっていればいいのか、ずっと悩んできた。「もうはまだなり」と思ってやってきたが「まだはもうなり」と思い至った。

社長は4月に交代するのが普通だが、以前から違和感があった。副社長以下ならいいが、社長は会社の代表だ。株主に対して株主総会でその期の業績について説明する責任がある。だから6月の株主総会の直後に退任することにした。

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