新型コロナウイルス感染者の急増に伴い4月7日、東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県を対象に安倍晋三首相が緊急事態宣言を発表した。同月16日、安倍首相は緊急事態宣言の対象地域を全国に拡大すると述べた。重要なのは、7日から16日までの間に、安倍首相が抱く危機意識の位相が変化したことだ。安倍首相の内在的論理を知るうえでジャーナリストの田原総一朗氏が提供した情報が興味深い。〈田原氏は10日に首相官邸を訪れ、首相と面会した。田原氏のブログによると、首相は「第3次世界大戦は核戦争になるであろうと考えていた。だがこのコロナウイルス拡大こそ、第3次世界大戦であると認識している」と語ったという。/田原氏が、「緊急事態宣言はなぜ遅れたのか」と問うと、首相は財政への悪影響を理由に「ほとんどの閣僚が反対していた」と明らかにしたという。田原氏は、閣僚による財政悪化への懸念を「平時の発想」と指摘。首相がこうした「平時の発想」から、感染拡大を戦争ととらえる「戦時の発想」に転換したことで、宣言を出すに至ったと分析している〉(4月17日付「朝日新聞」朝刊)。
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