アメリカのコロナ禍が「トランプの罪」と言えるワケ 諜報機関の警告を無視し続けた

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4月21日撮影(REUTERS/Jonathan Ernst)

果たすべき任務を果たせなかった時、諜報機関は叩かれる。それは当然のことだ。しかし、逆のこともある。米国のトランプ大統領は新型コロナウイルスに関する諜報機関の警告を無視してきた。さらに振り返れば、トランプ政権はパンデミックの危険性に関する諜報機関の警告を何年にもわたって当事者意識を持って受け取ろうとしなかった。その結果、現在のような惨劇に至った以上、諜報機関の専門家たちには当然、大きな称賛が与えられるべきだろう。

諜報機関を軽視し続けたツケ

1月から2月中旬に掛けて、トランプ大統領が新型コロナウイルスの脅威についての機密情報を繰り返しはねつけていたのは、何ら驚くことではない。「自分の意見に迎合しない者を許すことはない」とトランプ大統領はずっと明言してきたからだ。

昨年、諜報機関の首脳陣は議会に対する年次報告の中で幾つかの問題に関して大統領に反論した。この時、大統領は「学校に戻れ」と首脳陣に毒づいた。

今年、諜報機関を軽視し続けたツケは、膨大な失われた命と医療保険制度の多額の出費という形で回ってきた。米国の諜報機関は警鐘を鳴らしており、敵方が取る戦略をも提出していたのである。新型コロナウイルスのパンデミックがいかに拡大するかを詳述していた。しかし、戦時大統領を気取るこの人は何もしなかった。つまり、過失は自明の理なのである。

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