新型コロナウイルスが世界的な緊急事態であることに疑いの余地はない。そして各国政府がこの緊急事態を利用してその権力を増大させていることにも疑いの余地はない。中には、この脅威が過ぎ去った後も、新たに手にした権力を放棄しない政府もあるだろう。
100年に1度の公衆衛生上の危機に対処するために行う政府の措置を、野党が支持することは極めて重要だ。しかし、政府と野党の間の線引きは、「国の団結」の名の下に曖昧にしてはいけない。野党の指導者らによる批判に対し、不当な「内輪揉め」の烙印を押してはいけないのだ。野党が政府に責任を負わせられるようにする仕組みは強化しなければならないのであって、弱めてはいけない。
永久統治への道
緊急事態には2つの効果がある。1つ目は、民主国家において権力を行政機関に集中させる効果だ。新たな権力を要求する指導者らは通常、国民の支持を当てにすることができる。就任時からひどい振る舞いをしてきた米国のトランプ大統領でさえも支持率を上げている。
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