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「やられたらやり返す」ロシアによるスパイ事件 北方領土交渉の障害にならないように政府は努力を

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1月25日に警視庁公安部は、ソフトバンクの営業秘密を不正に取得し、在日ロシア通商代表部の情報機関員とみられる職員に渡した疑いで、元社員の荒木豊容疑者を逮捕した。通商代表部とは、ソ連時代の国営商社に相当する。現在も日ロ間のビジネスを促進する機関として存続し、幹部職員は不逮捕、免税などの外交特権を持っている。またソ連時代から通商代表部は、諜報機関のカバー(偽装)として用いられてきた。

今回も、当初は容易に入手できる公開情報を提供させ、接待や少額の金銭報酬を与えながら情報提供に慣れさせ、重要情報を入手できる環境整備を通商代表部の職員が行っていたようだ。これはロシアのみならず各国情報機関員が、ヒュミント(人を通じた情報収集工作)で用いる典型的な手口だ。警視庁が荒木容疑者を逮捕したのは当然だと思う。〈ソフトバンクの機密情報を元社員が不正に持ち出し、在日ロシア通商代表部の外交官に渡したとされる事件で、元社員が警視庁の調べに対し、外交官について「スパイかもしれないと思ったが、深く考えなかった」と供述していることが捜査関係者への取材でわかった。ロシア人とは聞いていたものの、何者か具体的な認識はなかったという。/遅くとも3年前ごろまでに同部の別の職員と知り合ったのをきっかけに、外交官から飲食店で繰り返し接待を受けるなかで「こういう資料はないか」と要求されたこともあるという。同庁は、ロシア側が元社員に目を付け、徐々に取り込んでいったスパイ事件とみて詳しい経緯を調べている。/公安部によると、ソフトバンク元社員の荒木豊容疑者(48)は昨年2月、電話基地局に関する作業手順書など営業秘密にあたる情報を、社内のサーバーからUSBメモリーに記録して入手したとする不正競争防止法違反の疑いがある。当時は通信設備を構築する部門の統括部長だった技術者で、捜査関係者によると、入手から数日以内に通商代表部の50代の外交官と会い、情報を手渡ししたという。/もともと知り合いだった同部の別の職員が2017年に帰国してからの関係だったとみられ、外交官は連絡先は明かさず、会った際に次回の日時や場所を決めていたという。/荒木容疑者は情報を複数回提供し、飲食接待に加え、現金の受領も認めているという。警視庁は27日、荒木容疑者を送検した〉(1月28日付朝日新聞朝刊)。

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