群雄割拠の地銀提携に斬り込む野村。掘り起こし狙う地方のニーズとは?
山陰合同銀行の証券子会社、ごうぎん証券は、黒字とはいえ伸び悩んでいた。野村証券の指導を受けて2015年に自前で設立したものの「『自分たちでも販売できるのに、なぜ証券子会社に客を紹介しないといけないのか』、よい客を『取った』『取られた』というグループ内の競争が生まれてしまった」(山陰合同銀行の阿川弘司・経営企画部担当部長)。
具体的にどういう属性の客を証券子会社に紹介するのかという線引きが難しく、役割分担をめぐって現場レベルの軋轢があった。地場証券の買収や新会社の設立などで証券子会社を持つ地銀は、このすみ分けの問題から逃れられない。
そこで山陰合同が選んだのが野村との提携だった。「今年5月の大型連休前後から話が具体化した」(阿川担当部長)という今回の提携では、野村の松江支店、山陰合同、ごうぎん証券の証券口座管理が一本化され、野村がこれを引き受ける。一方で営業は山陰合同に一本化され、野村から出向する従業員も山陰合同の名刺を持って「外交」することになる。一本化することでコスト削減や営業力の強化を狙う。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら