怒濤のM&Aで年商1兆円、ミネベアミツミの成長戦略 4月には自動車部品メーカーを330億円で買収
「中興の祖」と同様に買収を駆使。ワンマン社長の尽きない成長欲。
機械部品大手・ミネベアミツミの貝沼由久会長兼社長は昨年秋、欧州にいた。買収を検討していた自動車部品メーカー・ユーシンの現地工場を視察するためだ。製造ラインを見学した貝沼会長は確信した。「現場の統率力がなく、生産性への貪欲さも感じられない。うちのやり方で改善できる部分が多く、十分立て直せる」──。
そして帰国後の11月、ミネベアミツミはユーシンの買収を取締役会で正式に決定。2019年4月にTOB(株式公開買い付け)を終え、子会社化して傘下に収めた。買収に投じた金額は約330億円に上る。
ユーシンは自動車の鍵機構やドアハンドルの製造を手がけ、マツダや独フォルクスワーゲンなど国内外の自動車大手と取引がある。が、13年に買収した欧州事業が足を引っ張り、16年に多額の赤字を計上。自力での再建が軌道に乗らず、昨年夏、水面下でミネベアミツミに支援を要請していた。
ミネベアミツミの前身である旧ミネベアは、機械部品のベアリングで知られるメーカーだ。機械の回転部分に使用されるドーナツ状のベアリングは、自動車や航空機、家電製品などさまざまな分野で欠かせない。中でも同社は、タイなどで製造する外径22ミリメートル以下の小型品を得意とし、この小型品の市場で6割超の世界シェアを握る。
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