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「政治とメディアの未来、腹を割って話そう」 インタビュー/読売新聞グループ本社 代表取締役主筆 渡邉恒雄

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安倍首相と定期的に会食するなどいまも政治のキーマンである渡邉氏。過去の経験を踏まえた本音を語ってくれた。

渡邉恒雄(わたなべ・つねお)/1926年、東京生まれ。東京大学文学部哲学科卒業。50年、読売新聞社入社。ワシントン支局長、政治部長、論説委員長などを経て、読売新聞グループ本社代表取締役主筆。著書に『反ポピュリズム論』(新潮新書)、『渡邉恒雄回顧録』(中公文庫)、『わが人生記』(中公新書ラクレ)、『派閥 保守党の解剖』(弘文堂)など多数。
読売新聞主筆である渡邉恒雄氏は93歳の今も、社論をまとめる要としての役割を果たしている。歴代の首相を知る同氏は、現在の政治の課題、およびメディア経営の未来について、どのように考えているのだろうか。
インタビューのロングバージョン(全文版)はこちら

──現在の政治の課題は何でしょうか。

僕が政治記者になったのは吉田内閣のとき。それから今日に至るまで政治記者一筋だと思っているけど、政治記者にとって今ほど楽で怠けていられる時代はないよ。

昔は、吉田茂がいつ倒れるか、ということで鳩山一郎が虎視眈々と狙っている。鳩山内閣ができたら、石橋湛山が虎視眈々。石橋さんが天下を取ったら病気ですぐ倒れちゃった。そうしたら次は岸信介さん。そのあと池田勇人、佐藤栄作、田中角栄と次々と天下を狙っていくわけで、絶えず時の総理にはライバルがいた。田中の後に三木武夫や鈴木善幸などが間に入ったが、それから中曽根康弘さんが満を持して5年ぐらい長期政権をやった。

その後はずっと短期政権。比較的長かった小泉内閣があったが、あのときは非常に荒っぽい経済の動きがあったから、その動きを追いながら、この内閣はいつ倒れるのか、とつねに考えていた。戦々恐々、朝晩気をつけていた。政治記者は心休まる日がなかった。ところが安倍さんになってからライバルがいなくなっちゃった。

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