実は鉄道メーカー国内2位、三菱電機の強み 車両を造らない鉄道メーカーの「全方位戦略」

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国内の鉄道車両向け電機品で圧倒的シェア。海外テコに成長なるか。

深夜に自動運転などの試験を行う山手線の車内。JR社員に交じって三菱電機の技術スタッフの姿も見られる(撮影:尾形文繁)

今年1月6日の終電後、JR東日本(東日本旅客鉄道)が山手線内で“特別な”列車を走らせた。自動運転の試験と投影型ヘッドアップディスプレー(HUD)の視認性試験を行う列車だ。

運転士は発車ボタンを押した後、非常時を除き駅に到着するまで運転操作を行わない。通常の車両と異なり、運転席前方の窓に投影型HUDが設置され、速度や加減速の状態を表示。これによって、運転士は視線を複数の計器に落とすことなく、前方の状態監視に集中できる仕組みだ。

その試験車両には、JR東日本の関係者だけでなく、青色の作業服を着たスタッフが大量に乗車し、車両内のモニターや揺れ具合などをチェックしていた。彼らは皆、三菱電機の社員。JR東日本と共同で山手線車両に搭載されるさまざまな機器の開発を行い、試験車両に同乗してその性能を確認していたのだ。

「車両を造らない鉄道メーカー」──。鉄道関係者の間で評されている総合電機大手・三菱電機の知られざる顔である。

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