混雑と並んで通勤電車の利用者を悩ませる「遅れ」。とくに長時間の運転見合わせにつながりやすいのが、人身事故や鉄道施設のトラブルだ。
国土交通省が1月に発表した、東京圏45路線を対象とした2017年度の遅延調査結果によると、30分以上の遅れの理由のうち49.4%が「自殺」。車両故障や施設故障など、鉄道側のトラブルによる「部内原因」も約18%を占める。
人身事故が多発した駅とトラブルが相次いだ路線、それぞれの取り組みの現状を見た。
待望のホームドア設置で新小岩の汚名返上なるか
自殺とみられる人身事故が一時期相次いだJR新小岩駅(東京都葛飾区)。同駅の総武快速線ホームで昨年12月8日、待望のホームドアの運用が始まった。総武快速・横須賀線での設置はこれが初だ。
同駅では11年7月、通過中の特急「成田エクスプレス」に飛び込んだ女性がホームにはね飛ばされ、巻き添えでケガ人が出るという事故が発生して以降、人身事故が続発するようになった。JR東日本千葉支社によると、警察見解で自殺とみられる人身事故は08年から17年までの10年間で45件あったという。
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