山手線で無人運転が実現するか──。JR東日本は1月6日の終電後となる7日未明、山手線でATO(自動列車運転装置)を使った試験走行を行った。
ATOによる走行といっても運転席には運転士が座っている(上写真)。だが運転士の左手を見ると、速度を調節する「マスコン」に触れていない。運転士は発車ボタンを押した後は、非常時を除き駅に到着するまで運転操作はしない。
前面のガラスには運行速度などの情報が映し出され、前方を注視し続けることができる。これにより、計器に視線を落として前方のトラブルを見過ごす、といったリスクを回避できる。
自動車の自動運転と比べ、鉄道の自動運転は軌道上の列車位置を検知して加減速を行うというシンプルな技術である。したがってその技術は古くから活用されている。
ただし、ATOは線路内への人の侵入、線路沿いの火災といった非常事態の検知は不得手。そのためATOによる無人運転が行われているのは、踏切がない高架構造で、しかも全駅にホームドアが設置されているなどの要件を満たす、「新交通システム」が中心だ。
一方で、異常時に備えて運転士も乗車する形でのATO運転は、踏切がない地下鉄路線を中心に採用が広がる。2008年には東京メトロ丸ノ内線が全駅ホームドア設置に合わせATOを導入した。だが、ワンマン運転になり、車掌が行っていたドア開閉などの業務も運転士が行うようになった。ATO導入で運転負担は軽減されたものの新たな業務が追加されたわけで、運転士は楽になっていない。
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