中国経済の減速が誰の目にも明らかなものになっている。2018年の実質GDP(国内総生産)成長率は6.6%とまずまずだったが、とくに秋以降のさまざまな経済指標の悪化が目立った。米中貿易摩擦長期化の懸念から企業が投資を手控えたほか、P2Pレンディングなど「影の銀行」への厳しい引き締めが響き、個人消費についても電子機器や自動車などを中心に大幅な需要の落ち込みが報告されている。
このような経済減速の動きを、株価の暴落に端を発した15年夏以降の景気後退になぞらえる声も多くなった。当時統計指標の信頼性について疑念が出されたように、18年のGDP成長率も公式発表よりかなり低いのではないか、という声も聞こえてきている。
しかし、4年前と現在とでは経済状況に関し異なる点も多い。最も大きな違いは、景気テコ入れのためのマクロ経済政策の実施をめぐる前提条件である。
15年の経済政策の焦点は為替制度と金融政策にあった。これは、当時人民元の国際化を急いでいた政府当局が、ドルと人民元の為替レートを硬直的に運営していたため、景気拡大のための金融緩和策が相殺されるという状況にあったからだ。元のドルに対する変動をかなり柔軟にすることによって、景気は回復基調に転じた。
ただし、現在元ドルレートはかなり柔軟に変動しており、昨年11月までは1ドル=7元近くまで元安に振れていた。それ以上の元安は通貨の信頼性を損なうおそれがあり、今後は為替政策を通じた景気拡大の効果はあまり期待できない。
中銀の国債大量購入案
そこで、現在注目が集まっているのが財政政策と金融政策の連携である。昨年12月の中央経済工作会議では、付加価値税を中心に大規模な減税を実施する方針が明確にされた。さらに1月16日には財政部国庫司(財務省理財局に相当)副主任の郭方明氏が、中国人民銀行(中央銀行)が国債の大量購入を通じて市中のマネーを増やし、金融緩和を実施する可能性を示唆した。積極的な金融緩和策を一貫して唱えてきた中国社会科学院の余永定氏も、財政赤字をGDP比3%の枠内に抑えてきた政府の均衡財政的な姿勢を批判し、積極財政によって金融緩和をサポートすべきだ、という発言を行っている。
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