中国経済は悪化している、と同国を訪問するたびに言われ続けている。特に昨今は米中貿易戦争の勃発で懸念が広がっている。昨年のGDP(国内総生産)成長率は政府発表では6.5%だが、中国のある金融関係者に聞くと「実態は1.5%ぐらいじゃないか。日本だって数字はいじっているでしょう」とあっさり言われた。
彼が指摘したのは、国内経済の深刻な悪化だ。「米中問題の影響よりも国内問題が大きい。東北地方や天津の落ち込みはひどい。ここ数年、貸し出し案件は一件もやっていない。怖くてとてもできない」。
もしGDP成長率が1.5%だとしたら、企業からの返済は滞っているのではないか。そんな質問をこの金融関係者にぶつけると、「だから今、民間企業は国有企業に身売りしようと懸命に動いている」と説明する。
景気後退で業績が悪化して借金が返せない民間企業のオーナーは、国有企業との合併に成功すれば自ら借金を返済する必要がなくなる。一方、国有企業は非常に安く民間企業を買収できるのでそれに応じ、さらには金融機関にとっても国有企業の資本が入った企業は優良と判断でき、資金回収を進める必要がなくなるという、三方よし施策だというのだ。
中国の景気悪化の要因として挙げられるのが、「役人が何も政策を講じない」というものだ。習近平政権において失敗は致命的であり、幹部でリスクを冒して政策を実行する者はいないとされる。
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