バンコクに住む知人から怖い話を聞いた。知人にはインターナショナルスクールに通うお孫さんがいる。高校1年生の彼女は活発なお嬢さんだが、彼女と親友の2人にSNS(交流サイト)のいじめが襲いかかった。あられもない合成写真がネット上にばらまかれたのは序の口で、彼女がその親友に出したとされるメールが拡散した。「バラバラに切り刻んでやる」とか、ゾッとする文句が並んでいた。
周到なのは、メール発信者のIPアドレスがお嬢さんのものだったこと。IPアドレスを盗み取り、本人になりすましてフェイクを拡散する。破壊力は絶大だ。否定すればするほど、IPアドレスが決め手となり、「そういう人だったの」という視線が突き刺さる。2人の友情は壊れ、お嬢さんは転校を余儀なくされたという。
バンコクのお嬢さん一人の悲劇ではない。わが国の文部科学省によれば、2017年度の全国小中高校でのいじめは41万件と過去最多。うちネットのいじめは1.2万件とこれも過去最多になった。ネットいじめは陰にこもる。実際の被害はこんな数字では収まるまい。
車1台1200万円
半世紀近く前の故・宇沢弘文さんの名著『自動車の社会的費用』を思い出した。車は交通事故、環境汚染という社会的害悪をまき散らすが、その費用が自動車価格に内部化されないため、便益が費用を上回り、車は爆発的に拡大した。
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