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病院が消える、深刻さを増す赤字経営 医師不足、患者減少がニッポンの病院を直撃

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「医は仁術」というが、経営が安定しないと医療の質は保てない。人口減少、コスト上昇で病院の大再編が迫っている。

本誌:井艸恵美、西澤佑介、中島順一郎

週刊東洋経済 2019年2/9号
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今年1月、東京都中央区の「石川島記念病院」は白い仮設の壁で囲まれていた。壁には診療中止を知らせる貼り紙があり、道行く近隣住民が足を止めて眺めていた。近くのマンションに住むという女性は「自分もかかったことがあるが、休院とは知らなかった」と驚く。同院は47床の入院病床があったが、昨年12月から経営悪化で診療をやめている。

この病院を運営する医療法人社団健育会の担当者は、「2014年に新設した心臓病センターが地域のニーズに合わず患者が集まらなかった」と説明する。

元職員はこう実情を明かす。「診療中止には驚かなかった。石川島記念病院の赤字によって同法人が運営するほかの施設の黒字を帳消しにする状態だった。近くに聖路加国際病院などの有力な競合がある中で、心臓病センターが儲からないのは当たり前だ」

昨年9月、病院側から東京都に連絡があった時点で病院は廃止の予定だったが、都と中央区医師会は存続を要請した。要請を受けて同院は、心臓病治療からリハビリや整形外科を中心にした診療に切り替え9月以降に再開することを予定している。

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