「経営戦略を持った人に病院を引き継いでもらいたい」。医療機関の経営に詳しい富山綜合法務事務所の行政書士、富山洋一氏はこういった相談を医療機関からよく受けるという。背景にあるのは病院の経営が厳しくなっているという実態だ。
東京商工リサーチによると、2018年の病院・医院の倒産件数は9年ぶりに40件を超え、前年比6割増の43件となった。「人件費高騰の問題が大きい。売上高人件費率が100%を超えているケースを目にすることもある」と富山氏は話す。
医療機関が収入を安定させるには、ベッドの稼働率を高めることが大切だが、そのためには医療法に定められた医師や看護師の人員配置基準を満たす必要がある。ところが医師や看護師の不足や人件費の高騰により、採用できないケースが少なくない。結果として収益を安定させられず、経営状態が悪化する。そうした病院の中には身売りを検討するところが出てくる。
実際、足元を見られた医療機関が乗っ取られるケースもある。
この記事は有料会員限定です。
ログイン(会員の方はこちら)
有料会員登録
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
トピックボードAD
有料会員限定記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら