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──現在のマーケットの状況をどう見ていますか。
藤戸:リーマンショック後の米国市場を振り返ると、NYダウ平均株価は2009年3月の6000ドル台から上昇が始まり、昨年11月の2万7000ドル手前までで、4倍以上になっています。
この上昇相場の大本にあったのがFRB(米連邦準備制度理事会)の超金融緩和政策によるお金の供給です。米国だけでなく欧州中央銀行も日本銀行も超金融緩和を行い、どこも長期化した。それによって、「中央銀行バブル」のようなものが世界のマーケットで形成されたのです。
リーマンショック前、8000億ドル台だったFRBのバランスシート(BS)は、国債など巨額の債券買い入れで4.5兆ドルまで膨れ上がりました。債券買い入れを通じて膨大な資金を市場へ供給したのです。
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ふじと・のりひろ●早稲田大学卒。生保で20年にわたる資産運用業務の後、1999年国際証券(現・三菱UFJモルガン・スタンレー証券)でストラテジストに。2018年7月より現職。(撮影:梅谷秀司)
FRBの利上げよりも注目すべきは資産圧縮
これによって投機マネーがあふれ、あるときは株式に、あるときは商品投資へ、またあるときにはジャンクボンド(投機的格付け債券)市場に流れ込み、世界の市場を跋扈(ばっこ)しました。
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