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米中摩擦や中国市場の減速を背景に、好調だった半導体業界が曲がり角にさしかかっている。半導体で世界首位の韓国・サムスン電子は1月8日、2018年10~12月期の営業利益が前期比約3割減の10.8兆ウォン(約1兆400億円)になると発表した。
世界大手の株価は昨年から下落基調を強めており、台湾のTSMCは直近1年で2割近く下落。近年急成長を遂げた米エヌビディアは9月のピークに比べると半値程度に沈んでいる。

半導体市場の拡大を牽引してきたスマートフォンでは、中国の需要減速が想定以上だったとして、アップルが年初に売上高の予想(18年10~12月)を引き下げた。これがトリガーとなり、株式市場が大きく動揺した。
半導体製造装置や素材を扱う企業で構成する業界団体のSEMIは昨年12月、半導体工場の投資動向について、19年は前年比4%減の595億ドル程度になるとの見通しを出した。これは同年7月に示した675億ドル(7.7%増)から大幅な下方修正となる。
原因は、やはり中国だ。製造装置では同国が19年に世界一の市場に成長すると予想していたが、目算が大きく狂った。結局、18年と同水準にとどまる見通し。SEMI調査・統計部門ディレクターのクラーク・ツェン氏は「とくにメモリーの投資が遅れている。成長の本格化は20年以降に後ろ倒しになった」と説明する。
背景にあるのが、米トランプ政権が中国にかける圧力だ。10月には、安全保障上、重大なリスクがあるとして、中国の半導体メモリーメーカー・JHICCへの米企業からの装置輸出を規制した。SEMIの下方修正は、今年前半には米中摩擦の問題が一定の解決に至るという前提に立っている。だが、両国のつばぜり合いの落としどころは見えていない。
相次ぐ業績の下振れ 日本企業にも逆風
中国減速の影響は日本企業にも出始めた。産業用ロボットの安川電機やモーター大手の日本電産などが中国要因で業績見通しを下方修正した。1月17日に会見した日本電産の永守重信会長は、「尋常ではない(需要の)変化」と危機感をあらわにした。
スマホや家電製品には多くの半導体が搭載されている。最終製品の需要が鈍化すれば、日本が得意とする半導体製造装置分野の受注や売り上げに影響が及ぶ。18年度当初、東京エレクトロンやアドバンテストといった主要な製造装置メーカーは強気の業績見通しを出していた。第3四半期決算の発表が本格化するのは1月末から。中間期に見通しを下方修正した東京エレクトロンを含め、各社の業績は下振れする可能性がある。
現在、中国は半導体を自前で製造できる環境が整っていない。米国から材料や製造装置の供給を止められると困るため、貿易交渉で譲歩するという見方は根強い。だが交渉が長引けば、裾野の広い半導体分野での不調が世界経済に悪影響を及ぼす。






















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