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株価などの金融資産の価格が割高か割安かといったバリュエーションに関する指標は多数あるが、「いつ調整されるか」を言い当てることは難しい。筆者はこれについて経済物理学を用いた「臨界モデル」やそれを応用した「みずほクラッシュ指数」を作成し、バブル崩壊のタイミングを随時予測している。
直近、2018年後半に株価(今回はTOPIXに注目)が下落局面に入ったのを受けて、臨界モデルにデータ(18年1~12月上旬)を当てはめてみた。その結果、19年1月までに株価下落のピークを迎える可能性が高いとの予測が出た(下図のモデル推計値①)。予測はずばり的中し、現実の株価はそれに沿った動きになった。

経済物理学は、人々が周囲を模倣して横並び的な動きをとる「群集行動」に注目したもので、市場でこの行動が生じたときにバブルが発生するとしている。その結果、株価などの市場価格は、べき乗則(aのn乗)によって指数関数的に上昇(逆バブルの場合は下落)していく特徴が見られる。
例えば、1989年12月に3万8915円のピークをつけた日経平均株価の上昇は、まさに指数関数的な動きだった。バブルが臨界点に近づくと、熱狂した市場は上がったり下がったりするサイクル的な動きを徐々に失い、最後は株価が発散して臨界点に達する。89年の株式市場では、投資家の典型的な群集行動が起きていたといえる。
注目はFRBの動き 利上げ見送りか否か
年明けのアップルショックを経て、足元は世界的に株価が反発し、売りが売りを呼ぶ「逆バブル」的な動きはいったん収束した。
しかし、反発は一時的なもので、「実は昨年来の逆バブルは、より大きなものだった」という可能性も残る。そこで直近のデータ(19年1月11日まで)を当社のモデルに適用し、19年中に再び臨界点に達する経路を探った。
結果は上図の推計値②に示したとおりで、モデル上は株価の緩やかな反発が3月まで続いた後、6月から下落が再開し、10月にかけてセリングクライマックス(臨界点)に達する可能性の高いことがわかった。
臨界モデルは、あくまで金融市場における人々の群集行動に注目したものだ。経済のファンダメンタルズや金融政策の変更などは考慮されていない。
とはいえ、モデルから予測された19年3月までは上昇していた株価が6月から再び下落局面に入るという経路は、「世界的な経済減速を背景とした動揺が金融市場に残る中、FRB(米連邦準備制度理事会)が6月会合で利上げを決め、株価が二番底を探りに行く」という展開を想起させる。
筆者は、6月会合では利上げが見送られ、年後半の金融市場はある程度落ち着きを取り戻すと予想している。FRBは経済動向を慎重に見極め、モデルが示す「逆バブル」は招かないとみている。だが、予想に反して6月の利上げが敢行された場合、その後の株価の下落には大きな注意が必要となりそうだ。






















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