今年もまた節分がやってくる。この時期、日本の人口以上に作っているのではと思うほど至る所で見かけるのが「恵方巻き」だ。だが、2月3日を過ぎるとあっという間にスーパーマーケットやコンビニエンスストアの店頭から姿を消す。近年はフードロスの代名詞ともなっている。
「食べ物を粗末にしてはいけません」「アフリカには、おなかをすかせた子どもがいる」──。
子どもの頃、家庭や学校で嫌いな食べ物に手をつけないでいると、こうやって大人に諭されたことはないだろうか。そのたびに筆者は、「俺がこれを食べたらアフリカの飢えは解消されるのか」と思っていた。きっと読者の中にも、そういう生意気な子ども時代を過ごした方々が多いと信じたい。
このような話と一緒に語られると、「フードロス=モラルの問題」と思いがちである。今回は、こうした皆さんの思い込みを変えていきたい。
フードロスとは、「まだ食べられる食品が捨てられてしまう」問題だ。約646万トン(2015年度)のロスが国内で発生していると農林水産省は推計。これは国連世界食糧計画による食糧援助量、約320万トンの2倍の量という。
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