有料会員限定

不寛容社会の回避へ「集活」を進めよ 高まる孤独化リスク3|不足するつながり

✎ 1〜 ✎ 7 ✎ 8 ✎ 9 ✎ 最新
拡大
縮小

ソーシャルキャピタルは先進国最低

イラスト:関 祐子

特集「「孤独」という病」の他の記事を読む

健康や幸福度を決定する最大の要因は人と人とのつながりだ。これは多くの医学的研究から明らかになっている。今年7月に発表された東京都健康長寿医療センター研究所の調査では、日常生活に問題のない健康な高齢者でも、社会的孤立状態にあり閉じこもり傾向のある人は、そうではない人に比べ6年後の死亡率が2.2倍高いことが明らかになった。

また孤独が長期化すると、人は不機嫌になり、自己中心的に、攻撃的になりやすい、と多くの研究が示唆している。生涯未婚率がうなぎ上りで単身世帯も増加する中、長期的に孤独な人が増えれば、日本は不寛容な社会へと変質していく可能性がある。

孤独が生まれる要因となっているものは大きく分けて二つある。一つはコミュニティの弱さだ。

日本では都市化や核家族化などにより、「地縁」「血縁」といった昔からのセーフティネットが消滅しつつある。本来その受け皿となるのは、家族以外のネットワークやボランティア、地域活動への参加など、社会や地域での人々の信頼関係や結び付きである「ソーシャルキャピタル(社会関係資本)」なのだが、日本は極端にそれが乏しい。英レガタム研究所の2017年版のランキングによると、日本は149カ国・地域中101位。先進国では最低だ。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内