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北京のイノベーション 深圳とは一味違う

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中国のイノベーション都市というと深圳が有名だ。だが高度な理系人材を輩出し手厚い起業支援体制を備える、首都・北京の存在感が高まっている。

北京のインキュベーター「創業公社」のオフィスには、300社以上のベンチャー企業が入居する

筆者は9月の半ばから3週間ほど、集中講義のため北京外国語大学の日本学研究センターに滞在する機会があった。平日の午前はほぼ毎日講義があったが、午後はフリーだったため、頻繁に人と会ったり企業を訪問したりすることができた。特に興味深かったのが、北京国能環科環保科技の佐野史明氏にご紹介いただいたいくつかの企業を訪問し、話を聞く中で浮かび上がってきた、北京におけるイノベーション事情だった。

中国のイノベーション都市というと、真っ先に名前が挙がるのは、広東省の深圳市だろう。確かに、ものづくりのためのエコシステムを完備した深圳が、製造業をはじめとしたイノベーションの中心であることは間違いない。しかし、清華大学や北京大学といった世界トップクラスの大学や研究機関が集中している北京も、特に政府系の投資ファンドやハイテク系ベンチャー企業の動向を見るうえでは、深圳以上に注目すべき都市である。

私たちがまず訪れたのは、市の中心部からやや離れた石景山区に本社を構える創業公社(VSTARTUP)だ。創業公社は中国に多数あるスタートアップ支援のインキュベーターの一つだが、ユニークなのは同公社の母体がかつての大手国有鉄鋼企業、首都鋼鉄集団(正確にはその傘下の投資ファンド)だということだ。首都鋼鉄集団は最盛期には約8万人の従業員を擁し、世界23位の粗鋼生産量を誇る大企業だったが、2008年の北京オリンピック開催を前に大気汚染対策のため製鉄所をすべて河北省に移転し、11年に石景山区の工場は操業を停止している。

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