「組織が不正を認めた」 スルガ銀が残した教訓 見掛け倒しの「優等生」
なぜこれほど不正が蔓延したのか。第三者委員会の委員長が語る実態。
シェアハウス問題に端を発し、次々と不正が発覚したスルガ銀行。個人分野に特化して高収益をたたき出し、金融庁から「地方銀行のモデルケース」とまで称されたが、その実態はあまりにずさんだった。
そうした内実をあらわにしたのが、第三者委員会が9月7日に公表した調査報告書だった。報告書は321ページに及び、不正融資の実態から原因、個々の取締役の責任、対策まで克明に記されている。委員長の中村直人弁護士に問題の真因と学ぶべき教訓を聞いた。
──非常に詳細な報告書を公表されました。調査は順調に進んだのでしょうか?
公表は予定より遅くなった。データ量が膨大で、6月中に終えるつもりだったデジタルフォレンジック調査(パソコンや携帯電話などに残る記録の収集・分析)が8月下旬までかかったためだ。その間に新しい報道が次々出てきて、内容を確認するためにフォレンジックを追加したこともある。
インタビューを拒否する人はいなかったし、岡野(光喜)会長(9月7日退任)には2回面談して、聞くべきことを聞いた。どこまで不正が広がっているのかを調べるために、グループの従業員約3700人全員にアンケート調査も行った。回答をまとめたエクセルの表は約6000ページにも及んだが、どの組織に不正が多かったかなど、実態把握に役立ったと思う。
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