ゲーム、AI診断ソフト、アプリの開発。新興国での新モデル構築、寝かしつけ相談、小児科医院の情報拠点化…。独自の未来像に向けて若手医師はすでに動きだしている。
AI(人工知能)やロボットが医師の仕事を奪うのではないか。人口減少で医師の仕事は激減するのではないか。医療費は増大の一途なのに国は財政難だから、今の医療制度は早晩もたなくなるのではないか……。医師の将来に対する不安は尽きない。
一方で若手医師たちの新たな試みはすでに動きだしている。共通しているのはITリテラシー(情報技術の読解・記述力)の高さだ。AIを敵と見なさず味方につけようとする姿勢から、医療の未来像が垣間見えてくる。

いしい・ようすけ●2010年高知大学医学部卒業。横浜市立市民病院外科、厚生労働省医系技官を経て現職。デジタルハリウッド大学大学院デジタルヘルスラボ1期生(撮影:今井康一)
排便報告で来院促す 撤退戦にらみ病院新設
排便報告か課金に応じるか──。ゲームの主人公(ウントピアの住人)がパワーアップする(細菌を身にまとう)ために、その選択を迫るオンラインゲームが、石井洋介医師が開発中の『うんコレ』だ。
パワーアップしたいがカネは使いたくない場合、その日の便の状態(色や形)を凡例から選んで報告。大腸がんの疑いがある場合には、ウントピアの守護神カンベンヌ(名前の由来は「観便」)が「お告げ」をし、医師への相談を促す。
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