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強まる中国本土の支配力 高速鉄道が香港乗り入れ

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香港と広州を結ぶ「広深港高速鉄道」が9月に開通予定だ。利便性が大きく高まる一方で、中国本土の法律が香港域内に適用されることへの反発も強い。

昨年12月、高速鉄道の出入境業務について説明する林鄭月娥行政長官。市民の反対を押し切った(Imaginechina/アフロ)

中国の高速鉄道(以下「高鉄」)が9月、香港に乗り入れる。香港と一体不可分の経済圏である広東省深圳や広州などと結ばれ、その所要時間が大幅に短縮されるばかりでなく、他の大陸の主要都市とも高速交通網で直結することになる。利便性は大きく高まるが、香港に対する中国の政治・経済的な支配力も一段と強化されることになりそうだ。

現在、中国の高鉄は香港に接する深圳まで開通しており、今回、新たに開通するのは深圳北─香港域内の西九龍間。2010年に着工、すでに完工しており、今年4月から試運転が行われてきた。

香港、深圳、広州の3都市を中核とする「珠江デルタ経済圏」は人口6000万人超、GDPは1兆3800億米ドル(16年)と東京首都圏の3分の2を超える水準まで来ている。香港高鉄はその旅客輸送面の中核を担う存在だ。

9月22日に香港の西九龍駅で式典が行われ、翌23日、正式に開通の予定。列車の愛称は「動感号(Vibrant Express)」。香港─広州・深圳間では1日114便が運行予定で、西九龍─広州南間の所要時間は48分。また深圳市街の中心部にある福田駅まではわずか14分で到達する。いずれも所要時間は従来の半分〜3分の1程度に短縮される。

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