
エビデンスは多数派の傾向に過ぎないと指摘
評者 BNPパリバ証券経済調査本部長 河野龍太郎
個人だけでなく一国にとっても経済的成功には教育が重要というのは、今や広く合意された考えだ。教育を自己責任と捉え公的支出を抑えていた日本も、就学前教育や高等教育にこれまで以上の財源を割こうとしている。
本書は公教育の社会的意義について、様々な視点から論じたものだ。自らの成功体験から一家言を持つ人が多いが、今後の公教育の在り方を冷静に論じるには、本書のような客観的な論考が必要だ。
豊かになると質の高い教育を家計は欲するようになるが、公教育には普遍性も必要で、簡単には期待に応えられない。結局、教育志向の強い高所得家庭は私学を選択する。過去40年、公教育は常に批判に晒され、大きく変遷してきた。米英も事情は同じで、1970年代後半以降、低成長で財源が抑制され、競争主義や外部評価が入り込み、近年は標準化テストによる評価の時代が訪れた。教育も新自由主義の波と無縁ではなかった。
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