「偶数と奇数を足すと、いつも必ず奇数になる」ことの証明について、国立情報学研究所の新井紀子教授は、以下のような珍答の例を紹介する。
〈例3:
(ア)偶数を奇数にするためには、偶数を足しても駄目だが、奇数を足せばよい。
(イ)偶数を足すことは和の偶奇に影響を与えないため、奇数に偶数を足すと、いつも必ず奇数になるから。
このように問われていることを、そのまま繰り返す「トートロジー型」も相当数ありました。〉(新井紀子『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』東洋経済新報社、2018年、178~179ページ)
筆者は、同志社大学神学部で若い神学生たちに組織神学(キリスト教の教義)を教えている。神学の場合、「神は神である」というトートロジー(同語反復)を学ぶことが要諦であるが、任意の偶数と奇数を足した場合、必ず奇数になるというような証明問題にトートロジーを用いることはカテゴリー違いだ。さらにこんな例を新井氏は紹介する。
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