コンピュータは意味を理解することができない。AI(人工知能)といっても、それはコンピュータ、すなわち計算機にすぎない。計算機にできることは四則演算(正確には足し算と掛け算)だけだ。さらに数学的言語で処理できるのは論理、確率、統計だけである。それだから、AIが人間の力を借りずに自分自身の能力よりも高いAIを作り出すようなシンギュラリティ(技術的特異点)は、量子コンピュータが登場しても非ノイマン型コンピュータが登場してもやってこない。とはいえ、考える力が人間にあるかぎりAIを怖がる必要はない、と結論づけるのは早計だ。
AIが人間の仕事のすべてを奪ってしまうことはないとしても、AIと競合する分野では人間の仕事の多くがAIに代替される状況が近未来に迫っている。
国立情報学研究所の新井紀子教授は、英オックスフォード大学の研究チームが2013年に発表した「AI化によって10~20年後になくなる仕事」として以下のものを挙げる。上位20を記しておく。
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