「有償ストックオプションの発行は今後検討しない」と明言するのは東証マザーズに上場するソフトウエア開発会社、アプリックスの長橋賢吾社長だ。2016年に発行実績があり、今回の新ルールにパブリックコメントでも反対を表明していた。
圧倒的多数の反対を押し切って決まった有償ストックオプションの新ルールは、役職員のやる気を引き出すインセンティブの手段を一つ奪ってしまったようだ。
有償ストックオプションと似て非なるものに無償ストックオプションがある。後者は、無料で新株予約権を配るもの。だが、これは与える側の企業にも、受け取る側の役職員にも、実は評判がよくない。使い勝手が極めて悪いからだ。
付与する企業にとっては、費用計上が義務づけられているので、利益が圧迫される。受け取る役職員には最大5割超という高額の所得税がかかりかねない(下図1)。その批判から税務上の例外が設けられた(下図2)。が、それでもなお負担が重いため、例外の例外が設けられた(下図3)。「税制適格オプション」だと認められれば、支払う税金はかなり少なくて済むようになったのだ。ただ、それでも権利行使は年1200万円を超えないなど、さまざまな制約があり、使い勝手が悪い。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら