サラシア牛丼、ヨーグリーナ、アイコス、遺伝子検査……。消費者の健康志向を狙った商品が次々にヒットしている。企業が宣伝するような効果は本当にあるのか。第三者の有識者の意見も踏まえ、本誌記者が検証した。
血糖値はどれだけ抑制できるのか
サラシア牛丼
「他社が簡単にまねできない、本当の意味で差別化ができる商品」。吉野家の河村泰貴社長がそう話すのは、同社が昨年3月に発売した外食チェーン初の機能性表示食品「サラシア入り牛丼の具」、通称“サラ牛”だ。
脂っぽい、ご飯が多いなど“体に悪い”という牛丼に対する先入観を払拭し、健康志向の強い消費者を囲い込むべく、約2年かけて開発した。サラシア由来サラシノールという成分を含み、「食後の血糖値の上昇をおだやかにする」効果をうたっている。当初は冷凍具材として自社ホームページ限定で販売していたが、昨年7月から店舗でも提供し始めた。
糖質制限によるダイエットブームもあり、糖質を多く含み血糖値上昇の原因となるご飯は敬遠されがち。ライバルのすき家や松屋は牛丼や定食のご飯を豆腐に替える手法で「糖質オフ」を訴求する。一方、吉野家はあえてご飯を抜かず、具材に血糖値上昇抑制の機能を加える道を選んだ。
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