監修:睡眠評価研究機構 代表・医学博士 白川修一郎
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1日の平均睡眠時間が6時間に満たない人は、7~9時間の人よりも死亡リスクが13%高い──。米シンクタンクのランド研究所が2016年11月に発表した調査結果は、あまりにも衝撃的だった。6~7時間の睡眠でもリスクは7%高い。
日本人の睡眠時間は年々短くなっている。厚生労働省の「国民健康・栄養調査」(2015年)によると、睡眠時間が6時間未満の男女の割合は、07年と08年には3割を切っていたが、15年には4割近くに到達。10年足らずで短時間睡眠が急速に広まってしまったのだ。
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昨年6月のNHKスペシャルで、借金のように積み重なる睡眠不足の恐ろしさを特集した「睡眠負債が危ない」が放送されると、関連書籍やグッズが大ヒット。ユーキャンの17年新語・流行語大賞にノミネートされるまでに至った。
睡眠評価研究機構の白川修一郎代表は、理想的な睡眠時間を7時間程度だとしたうえで、睡眠負債の問題点を次のように解説する。
「1時間の睡眠不足が10日間続くと、たまる睡眠負債は10時間。睡眠負債の累積時間は目覚めている時間に相当するため、朝7時に起きると、脳はすでに午後5時と同じ状態。働き始めて午後4時になると、深夜2時に働いているのと同じ状態になる。これでは生産性が下がって当然だ」
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