
編集者・都築響一
つづき・きょういち●1956年生まれ。上智大学英文学科在学中から雑誌『ポパイ』『ブルータス』で現代美術、都市生活などの記事を担当。現在メルマガ主体に活動。(撮影:梅谷秀司)
つづき・きょういち●1956年生まれ。上智大学英文学科在学中から雑誌『ポパイ』『ブルータス』で現代美術、都市生活などの記事を担当。現在メルマガ主体に活動。(撮影:梅谷秀司)
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行政の町おこしとは全然ベクトルが違う、草の根から田舎を見直す動きに今、共感の輪が広がってます。その一つの象徴が『鶴と亀 禄』。
長野県の北にある飯山市で30代の兄弟が年にだいたい1冊ペースで自費で作っているフリーペーパーの総集編です。これがすごく面白い。大手流通には流さず、各地で販売店を募る。すると義勇軍じゃないけど、共鳴した人が「うちが売るよ」と手を挙げる。だから本屋に限らず、服屋とかカフェとか売り場はいろいろ。同じスピリットを持つ人の輪です。『鶴と亀』のウェブサイトに各地の協力店舗が出ています。
高齢のじいさんばあさんのヒップホップ的な取り上げ方がカッコいい。ルーズなジャージの着こなしとか、ばあさんの柄物もんぺの着こなしとかね。限界集落を、ステレオタイプな悲壮さとか、逆のほっこり系でとらえるんじゃなく、田舎の現実は必ずしも情けないものでもカッコ悪いものでもない、結構面白いよと打ち出している。
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