不動産バブルを警戒せよ 長すぎた金融緩和の代償
サブプライム問題勃発から10年。異例の金融緩和が世界の不動産の高騰を引き起こしている。
7月の首都圏の新築マンション平均販売価格は、前年同月比16%上昇し、6562万円だった(不動産経済研究所調べ)。リーマンショック直前の2008年7月から、実に41%の上昇である。
これで驚いてはいけない。報道によれば、米ニューヨーク・マンハッタンの4~6月の新築マンション平均価格は過去最高の219万ドル。高額にもかかわらず、取引件数は前年同期比15%増と活況だ。
オーストラリアのシドニーではこの10年で家賃が2倍以上にハネ上がり、今や低所得者の99%が市内には住めないという水準に達した。
国際決済銀行(BIS)のデータは、分析可能な国の住宅価格が過去10年で平均3割上昇していることを示している。
世界の債務は1.8京円
07年に表面化したサブプライムローン問題から10年。「100年に1度」とされた金融危機をわずか数年で乗り切るには、日米欧の中央銀行による大規模な金融緩和なくしては不可能だった。
その結果、起きているのが債務の膨張だ。世界の債務の合計額は16年末に1京8000兆円に膨らんだ。懸念されるのは、その天文学的な数字もさることながら、この10年間で国内総生産(GDP)の伸び率が46%だったのに対し、世界の総債務残高は63%増という伸び率を記録している点だ。
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