有料会員限定

総合的な知の技法「表現法」を学ぶ(7) 「加計文書」のような「詠み人知らず」の作り方

✎ 1〜 ✎ 118 ✎ 119 ✎ 120 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

有料会員限定記事の印刷ページの表示は、有料会員登録が必要です。

はこちら

はこちら

縮小

官僚の表現法として興味深いのは、加計学園の獣医学部設置に関連して文部科学省が作成した文書群(以下、「加計文書」という)だ。加計文書の存在については、5月17日に朝日新聞がスクープした。

「加計文書」の存在

〈朝日新聞が入手した一連の文書には、「10/4」といった具体的な日付や、文科省や首相官邸の幹部の実名、「加計学園」という具体名が記されたものもある。加計学園による獣医学部計画の経緯を知る文科省関係者は取材に対し、いずれも昨年9~10月に文科省が作ったことを認めた。また、文書の内容は同省の一部の幹部らで共有されているという。

文書のうち、「獣医学部新設に係る内閣府からの伝達事項」という題名の文書には、「平成30年(2018年)4月開学を大前提に、逆算して最短のスケジュールを作成し、共有いただきたい」と記載。そのうえで「これは官邸の最高レベルが言っていること」と書かれている。また、別の「大臣ご指示事項」との文書には、冒頭に「内閣府に感触を確認してほしい」とあり、加計学園が求めている獣医学部の18年4月の開学について、松野博一文科相が「大学として教員確保や施設設備等の設置認可に必要な準備が整わないのではないか。平成31年(2019年)4月開学を目指した対応とすべきではないか」とし、18年の開学は難しいとする考えを示したことが記載されている。〉(5月17日「朝日新聞」朝刊)

関連記事
トピックボードAD