地元大学の卒業生も大活躍
産学連携で挑む震災防災の新しいカタチ
4月以来、熊本県を中心とした九州各地を揺さぶり続ける熊本地震。2回の震度7、都市部から山間部までの広域的被害、行き届かぬ支援物資や長引く避難生活。その教訓や課題は、南海トラフの巨大地震に備える名古屋にも大きな衝撃となって伝わってきている。中でも地震防災の「一丁目一番地」といわれる建物の耐震化は、いっそう急務となった。
「熊本では前震に続く本震で被害が拡大したとされる。しかし本当に2回の揺れだから壊れたのか。M6.5の前震に対し、M7.3の本震ははるかに大きかった。まず今回の本震クラスの揺れに耐えうる耐震化が前提だ」と指摘するのは名古屋工業大学大学院の井戸田秀樹教授。建築の耐震安全性を専門とする井戸田教授は、本震後の5月に熊本現地を視察したうえで、こう訴える。
「南海トラフで倒壊する建物は今回の熊本より圧倒的に数が多い。被害が広域すぎて、被災者への援助はすぐに来ないだろう。避難所も今回のように大変だとしたら、家の中でどれだけしのげるか。そこまで考えて対策を進めなければいけない」
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