愛知県は言わずと知れた「公立王国」だ。関東や関西に比べ、県立・市立の高校や国公立大学の存在感が圧倒的に強い。たとえば、名古屋大学の入学者数に占める地元学生の割合は、愛知・岐阜・三重・静岡の東海4県で80%に及ぶ。他の旧帝大はおおむね50%前後だ。名古屋大学と並んで地元学生の比率が高い九州大学は、九州全域で75%程度を占めるものの、福岡県のみだと約40%。これに対して名古屋大学は、愛知県の学生のみで50%を超える。これらの数字からも、突出して国公立志向・地元志向が強いことがうかがえる。
名古屋人の地元志向の強さについて、河合塾中部本部の宮本正生本部長は、「トヨタをはじめとした地元の製造業が強く、就職に困らない。特に国立・理系の学生が重宝される点が、地元志向に拍車をかけているのでは」と分析する。
高校入試において公立志向が強いのは、愛知県独自の入試制度に理由がありそうだ。1989年度に導入された「複合選抜制度」は、公立高校を2校受験できる点に特徴がある。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら