医学部人気が続いている。企業の採用が活発化し、就職状況が改善したことで、昨年の大学入試から文系学部の人気が高くなり、理系学部の人気が下がる「文高理低」に変わった。薬、農、理工学部などが軒並み志願者を減らす中、医学部だけは根強い人気を保っている。
人気の理由は、医師の収入が安定し、社会的ステータスが高いことだけではない。理工系は難関大学ほど大学院進学率が高く、学部と修士課程と合わせて6年間大学に通うことになる。同じ修業年限なら医学部を選択しようと考えるのも道理だ。
さらに、近年の受験生は地元大学への進学志向が顕著になっている。少子化で子どもの数が少なく、保護者が手元に置いておきたいこともある。ところが、就職を考えた場合、文系学部ならば教員や銀行、公務員などの選択肢があるが、理系となると就職先があまりない地域も多い。優秀な理系の生徒にすれば、医学部を選択したほうが地元に残れるのだ。
実際、多くの地方自治体は医師不足に苦しんでいる。そのため、地域医療を担う人材育成を目的に特別な地域枠を設ける医学部も出てきている。地元で一定の年数を医師として務めることが条件となるが、一般入試枠より入りやすい。この地域枠を活用して地元の医学部に進学する受験生も少なくない。
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