福島原発訴訟、国と東電の責任を追及 原告最多「生業訴訟」が結審へ
全国最多の原告を抱える「生業訴訟」が結審。原告勝訴なら全国に波及も。
100人近い原告や支援者で埋め尽くされた福島地方裁判所の法廷で、福島県二本松市の中山間地でスーパーマーケットを営む服部浩幸さん(47)が声を振り絞って訴えた。
「平凡に、誠実に商売を続け、地域の人たちと自然の恵みに囲まれながら老いていきたかった。私たちはみな、そんなささやかな幸せを夢見る権利さえ、奪われてしまったのです」
全国最大の訴訟が結審
福島第一原子力発電所事故をめぐり全国20地裁・支部で起こされている訴訟(図表1)では、国と東京電力ホールディングスの法的責任を認めた3月17日の前橋地方裁判所に続き、今年秋から来年にかけて判決が相次ぐ見通しだ。
その中で原告の数が全国最多の4160人に上っているのが、福島地裁(本庁)を舞台とした「生業(なりわい)訴訟」。その第一陣である原告約3900人についての結審(審理の終結)が3月21日にあり、10月10日に判決が言い渡されることが決まった。
原告の一人として法廷に立った服部さんは、原発事故前の平穏な暮らしがいかに大事であったかを強調。事故後も地域住民への食料供給の責務から避難せずに踏みとどまらざるをえなかった経緯、そして被曝を余儀なくされたわが子への思いを切々と語り続けた。
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