日本企業の米国大型案件は損失続出 東芝原発の失敗だけじゃない
日本企業が手掛けるプラントなどの大型プロジェクトが苦境に陥っている。
東芝を債務超過に追い込んだのは、米国の子会社ウエスチングハウスが手掛ける原子力発電所の新設プロジェクトだった。
安全規制の強化で設計変更を迫られたうえ、工程管理の失敗などで建設は大きく遅延。約7000億円という巨額の追加損失計上に至った。
だが、東芝の苦境はひとごとではない。発電所、造船、化学プラントなど、日本の大手企業が手掛ける大型プロジェクトでは今、巨額損失が頻発している(図表1)。
代表例が、三菱重工業の大型クルーズ船だ。2011年に約1000億円で受注した2隻の損失は、累計で約2500億円。基本設計の遅れや資材発注のやり直し、火事などのトラブルが発生し、納期遅延の補償にも追われた。結局、この春に2隻目を引き渡した後、事業から撤退する。
タンカーやバラ積み船など一般的な商船の需要が縮小する中、造船業界は付加価値の高い市場に商機を見いだした。三菱重工は大型クルーズ船に目をつけ、実績作りとノウハウ取得を狙った。多少の損失が出ても先行投資のつもりだったが、実際は高い授業料を払っただけとなった。
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