『音の記憶』を書いた小川理子氏に聞く パナソニック役員、ジャズピアニスト

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仕事と音楽の二つの道を極めていく人生観とは。

音響は論理では無理 どう感性を生かすか

音の記憶 技術と心をつなげる
音の記憶 技術と心をつなげる(文藝春秋/228ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

──パナソニックの役員として「栄光のオーディオブランド」、テクニクスの復活を託されています。

ほぼ半世紀前の1965年に誕生し、70年代はハイエンドオーディオとして人気だった。経営の選択と集中の中で休眠する時期もあったが、2014年に復活。市場は欧州、中でもドイツにあり、よく戻ってきたと喜んでいた。音には感動と思い出が結び付く。ただし、オーディオは必需品ではなく感性重視の商品であり、論理を超えたところにある。企業が組織で仕事としてやっていくには論理的でなければならないが、音響は論理だけではいかない。そこをどうインテグレートしていくか。

──オーディオの世界は激変に次ぐ激変です。

テクニクスの顧客ターゲットはオーディオ愛好家、つまりマニアないしオーディオを好きな人。加えて音楽愛好家、広くミュージックラバーを想定している。この人々としっかり向き合い、音にこだわり、その価値志向に見合うものを出していく。

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