現地ルポ・北朝鮮経済、経済制裁下のリアル 韓国は北朝鮮を「マイナス成長」としているが
核実験やミサイル発射で国際社会からの経済制裁が強まる北朝鮮。一方で都市部では経済改革が進み、変化の兆しもある。
爆音とともに北朝鮮人民軍の戦闘機が相次いで離陸する。だが、軍事訓練ではない。観光イベントのプログラムだ。9月下旬、北朝鮮の日本海側の都市・元山(ウォンサン)の葛麻(カルマ)国際空港で開催された「元山国際親善航空祝典」。北朝鮮では初のエアショーだ。北朝鮮国内から1万5000人、海外からも日本や欧州から数百人の観光客や航空マニアを集めていた。元山市内で会った平壌(ピョンヤン)の旅行社のガイドは「わが社だけでも1000人の観光客を案内している」と言う。「平壌でもほかの都市でも、多くの人が観光を楽しんでいる」(同ガイド)ということらしい。
背景にあるのは、北朝鮮の最高指導者である金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長(党委員長)が2013年に下した「元山と金剛山(クムガンサン)一帯を国際的な観光都市にせよ」という指示だ。秘密主義の北朝鮮と「国際的な観光都市」の取り合わせがなんともシュールだ。
核実験の実施に中長距離ミサイルの発射。16年1月には4回目の核実験を行い、日本や米国による経済制裁が強化され、北朝鮮経済はさらに悪化しているという分析が目につく。韓国統計庁は、15年の北朝鮮の経済成長率をマイナス1.1%と発表した(図表1)。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら