これまで数週間にわたって、変則的なテーマを扱ってきた。三菱自動車やスズキのデータ改ざん問題、東京都の舛添要一知事(当時)の金銭スキャンダル、英国のEU(欧州連合)離脱、パキスタンのダッカにおけるテロ事件、トルコのクーデター未遂事件、独ミュンヘンの銃乱射事件などだ。
企業不祥事、政治家のスキャンダル、国際政治、国際テロリズム、クーデターなどさまざまな種類の事案であるが、これらの事件を読み解く際にビジネスパーソンが注意すべきことを3点、記したい。
重要なことは、事実関係、認識、評価を分けることだ。日本の新聞や通信社の報道のレベルは高い。国内外の通常のニュースである場合、新聞の報道を通じて事実関係を容易に把握することができる。ただし、メディアスクラムのような疑惑報道になった場合、一般紙の報道もテレビのワイドショー、スポーツ新聞に似てくる。
たとえば、舛添前知事の金銭スキャンダルがそうであった。議論が極めて錯綜していた。まず、舛添氏が出張で飛行機のファーストクラスを利用し高額の宿泊施設を用いていた問題は、都の予算執行の態勢の問題だ。また、舛添氏に同行した都職員も通常の支給額を超える旅費が必要になったはずだ。それがどこから出てきたかが、根本的な問題のはずだ。知事室もしくは他の部局に「プール金」(裏金)がなくては処理できない性質の問題だ。この場合、舛添氏のみならず都の幹部も責任を問われなくてはならない。しかも、このような出張の際の規定額を超える支出は、舛添氏以外にもあると思う。これは都の構造問題であるからだ。
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