恒例の経済財政白書が8月に公表された。「内容が小粒」「政府の広報誌のよう」という手厳しい批判もあるが、丹念に読んでいくと、興味深い論点が散見される。
その一つが物価動向の分析だ。白書は「消費者物価の基調は緩やかな上昇傾向にあるが、そのテンポが鈍化」と評している。現在の日本は「デフレ状況ではないが、デフレ脱却は実現していない」(内閣府)のだという。わかりにくい説明だが、デフレ脱却とは「多少の外的なショックがあってもデフレ状況に後戻りすることなく、緩やかな物価上昇が持続可能となる」(白書)状態を指している。
エコノミストのコンセンサス予想によると、消費者物価指数(CPI)は2016年10〜12月まで低迷を続け、その後18年1〜3月期の0.79%まで緩やかに上昇していく(ESPフォーキャスト8月調査)。しかし、18年度の高位予想でも1.4%で、日本銀行の掲げる2%目標はとうてい達成できそうもない。
物価の動きを白書は詳細に分析している(図表1)。変動の激しい生鮮食品を除いたコアCPI前年比は、14年半ばからの原油価格下落の影響により、エネルギーが全体を大きく下押ししている。一方、家賃や公共料金は安定的に推移している。
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公共料金は14年から15年初めにかけて、物価の押し上げ要因となっているが、これは高校授業料の無償化に所得制限がかかったため。同制度は10年4月にスタートしたが、14年4月からは一定の所得以上の世帯は授業料を負担するようになった。この特殊要因を除くと、家賃や公共料金は物価安定の優等生といえる。
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