参議院選挙がまだ終わっていないというのに、早くも補正予算の規模が取りざたされている。
参院選後、秋の臨時国会にも提案される予定で、「マーケットの期待は5兆円がメルクマール。10兆円なら大きく好感する」(日本総合研究所の湯元健治副理事長)という。
議論の火付け役は、安倍晋三首相の経済ブレーンの一人とされる藤井聡・京都大学大学院教授(内閣官房参与)だ。6月下旬発売予定の近著の宣伝文によると、「増税延期と同時に、年間10兆〜20兆円規模の徹底的な財政政策を展開して『デフレ完全脱却』」をするのだという。
アベノミクスの柱はこれまで、黒田日銀による「異次元の金融緩和」だった。追加修正を経て、現在、年間80兆円増のペースでマネタリーベース(MB)を拡大させている。その結果、MBは6月20日にとうとう400兆円を超えた。日本銀行の保有する国債は3月末時点ですでに発行残高の3割強に達している。
このまま行けば、日銀の国債保有比率はあと1〜2年で5割を超える。さすがに民間金融機関からの売り余地もなくなり、日銀の抱えるリスクも大きく、限界との見方が出ている。しかも、ここまでMBを積んでも、期待インフレ率は低下の一途で、2%の物価上昇率目標は近づくどころか、逆に遠ざかりつつある。
異次元緩和の効果がいま一つなので、アベノミクスの重心を、昔ながらの財政政策へ回帰させようということなのだろう。
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