英国のEU(欧州連合)離脱という政治ショックにより一時、金融市場ではリスク回避の動きが強まった。資金流出により新興国通貨が軒並み下落、ドル債務返済に動く中国元も急落した。一方でドルや円は買われた。
足元では、金融市場は落ち着きを取り戻しているものの脆弱な世界経済に悪材料が追加された格好だ。これまで世界経済の見通しの多くは、米国や欧州の景気回復を軸に持ち直しに向かうというものだった(図表1)。しかしOECD(経済協力開発機構)は、英国のEU離脱は中期的に当事国のみならず、世界のGDP(国内総生産)を下押しすると予測している。そうした中で、弱い国が金融市場で狙い撃ちされるリスクも高まる。
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たとえばトルコ。経常赤字国で短期債務に対し外貨準備が不足する厳しい状況にあるが(図表2)、原油価格の下落で昨年からは状況がやや好転していた。しかし、欧州向けが輸出の4割を占める。
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第一生命経済研究所の西濱徹主席エコノミストは、「EUをめぐる不透明感から企業の設備投資が減退しているうえ、シリアからの難民急増で輸入が増え、純輸出の成長率寄与度はマイナス基調だ」と指摘する。直近まで利下げにより、景気浮揚を図ってきたが、「通貨リラの下落で輸入物価の上昇を通じたインフレ圧力が高まり、経済運営は厳しくなる」(西濱氏)という。
財政が悪化し政局も不安定な南アフリカ共和国も欧州や英国との関係が深く、影響を受けやすい。
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