上場REIT(不動産投資信託)が好パフォーマンスを上げている。6月24日の英国のEU(欧州連合)離脱決定を受け、時価総額を示す東証REIT指数はいったん下落したものの、3営業日後から急反発し、あっさりとそれ以前の水準に戻った。
今年に入って、REITとTOPIX(東証株価指数)では明暗が分かれた(図表1)。1月末に日本銀行がマイナス金利政策導入を発表して金利は一段と低下したものの、米国の利上げ見通し後退の影響には勝てず、円高進行は止められなかった。その結果、株安も進んだ。だが、為替の影響は受けず金利低下だけが効くREITは価格上昇に転じた。
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「不動産市場の一部に過熱感があるのは事実だが、REITの動きは比較的冷静だ」と語るのはS&Pグローバル・レーティングの井澤朗子主席アナリスト。最大の理由は、分配金利回りを基にした価格形成が定着していることだという。
REITは賃料収入から各種経費を差し引いた利益の大半を分配金として投資家に支払うが、借入金によるレバレッジ効果や法人税原則免除などのため、分配金利回りは現在でも3%前後とほかの金融商品に比べて高めだ。
現在、都内優良物件の価格が過熱ぎみだが、賃料収入に対してあまりに高い価格で不動産物件を取得してしまうと分配金利回りを維持できなくなる。そのため、REITは優良物件獲得が困難で賃料収入拡大による成長を描きにくい。逆にいえば、不動産市場での取得競争激化による価格高騰の影響は抑制されている。
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