邦銀のドル調達コストが上昇している。もともと米国の政策金利引き上げを見越して世界的にドル需要は強まっていたが、ブレグジット(英国のEU〈欧州連合〉離脱)が拍車をかけた格好だ。リスク警戒感から、投資家は資金をポンドからユーロ、ユーロからドルへと逃がし、ドル需要はますます膨らんだ。
通貨スワップ取引でドルを調達する際の上乗せ金利は足元、3年物で80ベーシスポイントまで上昇(図表1)。「過去最高水準で、チャートで抵抗線がない状況」(三菱UFJリサーチ&コンサルティングの廉了・主席研究員)だという。
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2013年4月に日本銀行が「異次元緩和」を導入して以降、日本国債や国内貸し出しの利回りは低下を続けた。対応策として、邦銀は海外での投融資を増やしてきた。今年に入って日銀がマイナス金利政策を導入し債券利回りが10年物までマイナスに沈むと、その流れは一段と加速した。そのため、外貨が必要だ。
こうした中、国際的な金融規制強化の流れを受け、米証券取引委員会がプライムMMFの基準価格を、これまでの固定方式から変動方式に切り替えるよう要求。プライムMMFに元本割れのリスクが出てきたため、米銀はその購入量を減らしている。その結果、プライムMMFに組み入れられていた邦銀の発行する譲渡性預金(CD)やコマーシャルペーパー(CP)の需要も減少し、邦銀がドルを調達する手段は細ってしまった。
三菱UFJリサーチ&コンサルティングの推計によると、15年度の大手行の外貨調達平均残高(海外現地法人含む)はCD、CPによるものが前期比5.5兆円減だったのに対し、外貨建て預金が同8.4兆円増、通貨スワップが同5.8兆円増だった。
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