7月28~29日に行われる金融政策決定会合で、日本銀行が追加の金融緩和に踏み切るかどうかに注目が集まっている。
物価の現状は弱い。直近の数字である5月の全国消費者物価指数は、生鮮食品を除く総合で前年同月比マイナス0.4%と、3カ月連続で水面下に沈んだ(図表1)。
拡大する
また、6月の日銀短観における企業の物価見通し(全産業、物価全般)は、1年後が0.7%、3年および5年後は1.1%まで低下。2015年後半からはインフレ期待の鈍化が顕著だ(図表2)。1月末のマイナス金利導入決定から約半年が経つが、賃金や設備投資へのプラスの波及効果は見えにくく、「2%の物価安定目標」には程遠い。
拡大する
ドル円相場も一時の100円割れからはやや円安に振れるも、足元で105円台。6月の日銀短観によれば企業の想定レートは16年度111.4円で、企業収益の下振れが懸念される。「頻発するテロや英国のEU離脱決定など世界情勢が不安定化しており、リスク回避で円が買われやすい」(ニッセイ基礎研究所の上野剛志チーフエコノミスト)。
こうした状況を踏まえ、日銀が「17年度中に2%の物価上昇を達成する」という現在の政策目標を堅持するならば、7月に日銀が追加緩和に踏み切る可能性は高いというのが多勢の見方だ。参議院選挙後に円安・株高傾向が続いているのは、「市場がすでに追加緩和を織り込んでいるため」と、JPモルガン証券の菅野雅明チーフエコノミストは指摘する。「物価目標に対する日銀の本気度が試される。追加緩和を見送った場合は円高・株安を誘発するおそれがある」(菅野氏)。
この記事は有料会員限定です
残り 717文字
