消費増税再延期が決まり、野党は一斉に「アベノミクス失敗」の大合唱、安倍晋三首相は「アベノミクスのエンジンをもう一度最大限ふかす」とブチ上げている。
そもそも、現在の国内景気はそんなに悪いのか。アベノミクスの目標が物価上昇率2%、中長期的な実質GDP(国内総生産)成長率2%以上と、日本経済の実力に比べて過大なため、現状が「悪い」と映ってしまうだけだろう。
2015年度実質GDP成長率は0.8%と確かに低空飛行。ただ労働生産性にほぼ相当する1人当たり実質GDP成長率では過去10年以上にわたって日本は欧米並み水準(昨今では1%台後半)を維持している。全体の成長率がこれより低くなってしまうのはひとえに人口減少の影響だ。
現状の成長率でも実際の景気は悪くない──。そうした見方は、銀行貸し出しの状況からも見て取れる。
図1のように銀行の国内貸し出しは大手行、地域銀行(信用金庫含む)とも順調に伸びている。日本銀行のマイナス金利政策導入以降、とかく銀行決算の減益に注目が集まるが、それはあくまで利ザヤ縮小が原因で、貸出量自体は依然として増えている。
拡大する
注目すべきは、貸し出しの増加はむしろ地方や中小企業向けで顕著であることだ。日銀の異次元緩和の始まった13年春以降、地域銀行の企業向け貸し出し伸び率における都内店貸し出しの寄与度は1%前後が続くのに対し、地方店貸し出しのそれはマイナス圏から改善を続け、今年3月には2.4%まで拡大した。
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